Future of the Classroom
今日のクラスルームには、生徒が現在まだ存在しない課題や将来のキャリアに対応できるようにすることが求められています。生徒が未来に備えるために役立つさまざまなリソースや、調査に基づくトレンド情報をご参照ください。
学校教育の新しいトレンド
Chris Stephenson との対話
Google、Computer Science Education Strategy ヘッド
今後 10 年間で STEM 教育はどのように進化していくとお考えですか?また、今とはどのように変わるでしょうか。
コンピューター サイエンスは、今まさに大きく変化しています。変化は今後も継続し、加速していくだろうと考えられます。過去 10 年間で生じた代表的な変化は、ブロックベース プログラミングの発展など、コンピューター サイエンス(CS)学習環境の大幅な向上です。あらゆる生徒を本当の意味で惹きつけることができるよう、カリキュラムの内容だけでなく指導する方法が重視されるようになったことも大きな変化といえます。こうしたリサーチに基づく指導や方法論は、教師が生徒の好奇心を刺激し、自律的な学習を促すうえで今後も有効であり続けることでしょう。これからの 10 年は、今後グローバル化する社会での成功に不可欠なコンピューティング スキルをあらゆる生徒に提供していきたいと考えています。
コンピューター サイエンスと STEM の教育が効果的に行われていると考えられるのはどのような場合ですか?また、効果的に行われていないケースにはどのようなものがあるでしょうか。
どのクラスルームでもそうですが、コンピューター サイエンスや STEM が効果的に行われている状況では、すべての生徒が深く没頭して真の学びを得ています。また、最終的に目指すキャリアが何であれ、一人ひとりが現実社会で使われているツールや戦略を駆使して問題を解決し、ソリューションを示す方法について学んでいます。特にコンピューター サイエンスおよび STEM の場合、現実社会の多様性が教室にいる子供たちに映し出されていなければ、その効果が大きく損なわれていると考えられます。この場合、教室にいない生徒が教師にとって大きな課題となります。出席していない生徒は貴重な機会を逃してしまうことになり、結果としてそうした分野での活躍が望めなくなってしまう可能性があります。
学校での効果的なコンピューター サイエンスの教育に最も重要な基礎は何であるとお考えですか?
重要な基礎は、コンピューター サイエンスであろうと他の教科であろうと変わりはないと思います。何よりもまず、教科に対する情熱を持ち、関連性と魅力をあらゆる生徒に感じさせることができる、優れた教師が必要です。次に、クラスルームに主体的に参加し、インスピレーションを得て学習を進めることができる生徒も重要になります。加えて、教科の教育および学習をサポートするツールが利用できることも大切です。
Rob Houben 氏との対話
Agora 校長
生徒主導の学習に重点を置く学校が増えているのはなぜだと思いますか?また、その最大のメリットは何でしょうか?
生徒の情熱とやる気は強制的に引き出すことはできないと、学校がついに気付き始めたのだと思います。成功の鍵は IQ ではなく、情熱とやる気です。生徒が興味を持っていることから始めれば、そこからスキルと知識を積み上げていくことができます。それが学習への情熱となり、生徒は生涯にわたって学び続ける姿勢を身に付けていきます。
これまでに教育現場で目にした生徒主導学習の最も効果的な事例をお聞かせください。
Agora の生徒の中には、教師に原子爆弾について説明した生徒や、自動車のエンジンを修理している生徒などがいます。また、学校のデジタル環境を構築して 16 歳で起業した生徒もいます。独学で韓国語を学んでいる生徒は、韓国人の訪問客に学校を案内しました。自主的にプロジェクトを立ち上げ、最終的に 15~30 人の生徒が加わってプロジェクトの成功に向けて取り組んでいる様子も目にします。また、13 歳の生徒たちが始めたプロジェクトに、週に 1 回大人の専門家がボランティアで参加しているという例もあります。
学校での効果的な生徒主導学習に最も重要な基礎は何であるとお考えですか?
それは、学校の職員や教師の考え方です。指導方法に関する知識や学校の組織体系は一旦忘れて、学習するということについての明確な知識を土台にするのです。出発点となるのは、生徒個人の目標とラーニングパスの設定です。つまり、生徒が学びたいこと、作りたいこと、したいことを目標として設定します。学習の過程で失敗し、そこから学ぶチャンスも与えます。「教師」というものは、単に生徒に説明するだけでなく、自分の知識を総動員させて正しい質問を投げ掛け、生徒が熟考できるよう助けなければなりません。こうすることで、生徒は自分の学習プロセスを管理できるようになります。生徒主導の学習では、コースや授業、授業のスケジュール、対象年齢をあらかじめ設定する必要はありません。
Anneli Rautiainen 氏との対話
フィンランド国家教育委員会、Innovation Unit ヘッド
今後 10 年間で専門能力開発はどのように発展すると思いますか?
将来的には、専門能力開発は仕事の一部として継続的に行われるべきだと思います。教師と校長は個々の専門能力開発計画を用意し、計画に自身の考察と同僚の考察を含めます。急速に変化するこれからの世界では、知識よりも能力の重要性がさらに増していきます。オンライン学習も進化していくでしょう。グローバルでも地域社会でも、知識を共有できるコミュニティに学習の場が生まれていきます。
クラスルームの効果的な革新とは何か、一言で説明してください。
クラスルームの効果的な革新とは、生徒同士または生徒と教師が協力して生み出すもの。
学校と教師がクラスルームでの指導方法を効果的に革新するために最も重要な基礎は何であるとお考えですか?
コラボレーション文化が学校に根付いている必要があります。教師と学生が継続的に学習し知識を共有できるコミュニティを作り、校長はこうしたコミュニティが互いに協力できる機会を用意します。
Tim Bell 博士との対話
カンタベリー大学教授
ここ数年のコンピューター サイエンス教育の進化についてどのように思いますか?
私が特に大きな進化として注目しているのは、その指導方法です。コンピューター サイエンスが大好きというわけではない生徒にも学習する機会を提供するため、通常とは異なる方法で指導しています。また、コンピューティングが以前と比べてはるかに生活に密着したものになってきています。70~80 年代は複数の人が 1 台のパソコンを共有していたため、それを交替で使わざるを得ない状況でしたが、今ではまったく逆の状況になり、1 人が何台ものパソコンを使用するようになっています。購入するパソコンもかなり自由に選択できます。そこで重要になってきたのが、ユーザー エクスペリエンスです。人間を中心に考えるソフトウェア開発者が高く評価される傾向が強まり、多様性が優先されるようになってきています。こうした流れを受け、教育現場ではコンピューター サイエンス分野への進路を検討する機会をより幅広い生徒に提供する動きが生まれています。もちろん、まだ始まったばかりで、今後さらに進めていく余地が大いにありますが。
今後 10 年間で STEM 教育はどのように進化していくとお考えですか?また、今とはどのように変わるでしょうか。
将来を予測することはできませんが、社会のあらゆる人々が、デジタル化の進む世界に参加する権利があると感じられるような未来に投資したいと考えています。ソーシャル メディア、AI、量子コンピューティングといったさまざまな分野で、新しいテクノロジーを作り出すだけでなく、その利用や規制の方法について注意深く選択する必要が出てくるでしょう。適切な判断を下すためには、十分な情報を入手できる社会でなければなりません。そのような社会を実現するために CS 教育が必要なのです。
コンピューター サイエンスと STEM の教育が効果的に行われていると考えられるのはどのような場合ですか?また、効果的に行われていないケースにはどのようなものがあるでしょうか。
効果的に行われているときは、教師が自信を持って指導し、要点が明確であることが見て取れます。効果的に行われていないときは、リソースの面でも教師の自信やスキルの面でも、すばらしい教育が公平に提供されていないことがわかります。
学校での効果的なコンピューター サイエンスの教育に最も重要な基礎は何であるとお考えですか?
学校の経営者や教育システムに携わる職員からの十分なサポートが、トップダウンのアプローチで提供されることが重要です。ボトムアップの観点では、教育の手法を学ぶ機会が提供されることも必要です(プログラミングを学ぶだけでなく、プログラミングを教える方法を学ぶ機会など)。これを実現するには大きな変化が必要であり、ほとんどの教育システムではそのためのリソース(時間と資金)を確保することが難しい状況にあります。
Amanda Timberg との対話
Google、Talent Outreach & Programs ヘッド(EMEA 担当)
多くの学校が就労に備えるための教育に重点をシフトしつつあるのはなぜだと思いますか?
良い職を得ることはここ数年でますます難しくなっています。学校や大学を卒業しても学位を生かせる働き口が見つけられない状況が増え、こうした事態に学校や政府の目が向いてきています。たとえばイギリスでは、教育水準局が、卒業生の進路に関するデータ(就職状況、進学状況、研修への参加状況)に基づいて学校を評価しています。その結果、学校がこれまで以上に、生徒の次のステップを明確にする責任を負うようになってきています。こうした責任が、生徒の進歩をサポートするという学校の本来の義務と相まって、教育の重点のシフトにつながっていると考えられます。
Google のような企業ではどのようなスキルが最も求められていますか? \職務に適格であるとみなすために最低限必要な条件は、職務の内容によって異なります。たとえば、法務部門の業務とマーケティング部門の業務に必要な専門性はそれぞれ異なります。一方で業務スキルや特性に関しては、Google が求める基準があります。それは、知的好奇心、コラボレーション能力、曖昧な状況に対処する能力、立ち直る強さ、多様性を受け入れる姿勢があることです。
企業側の視点では、新卒者が実際の職場で働く準備ができているかどうかをどのように判断しますか?
新卒者は通常、実務経験に乏しいことから、職務をうまくこなせるかどうかを概念的に予測できる指標が企業に求められています。こうした指標としてよく用いられるのは、成績、リーダーシップの経験、チームでの経験といった課内外での実績です。採用担当者は面接で、その新卒者が効果的にコミュニケーションを取れるか、仕事に対するコミットメントと熱意を示しているかどうかを見極めようとします。
「ライフスキル」とは何か、一言で説明してください。
人生のさまざまな機会を捉えて前向きに挑戦し、失敗しても何度でも立ち直る力。
Markus Hohenwarter 氏と Stephen Jull 氏との対話
GeoGebra、ファウンダー / CEO 兼 COO
ここ数年の STEM 教育の進化についてどう思いますか?
STEM という言葉が世界中で認知されるようになり、科学、テクノロジー エンジニアリング、数学といったカリキュラムがますます価値のある、重要なものとみなされるようになっていることを表しています。これとは別に、STEM に Art(芸術)の「A」を加えた「STEAM」にも注目しています。これまで STEM は数学好きだけに限られたカリキュラムであると考えられてきましたが、STEAM によって、STEM にあまり関心がなかった生徒が含まれるようになったのです。GeoGebra では、クリエイティビティが必要なあらゆるところに数学が存在すると考えています。数学は、イノベーションと探究の中核を担うものです。探究や探検が嫌いな人がこの世の中にいるでしょうか。
今後 10 年間で STEM 教育はどのように進化していくとお考えですか?また、今とはどのように変わるでしょうか。
学生が学校に対して持つ最大の不満は、カリキュラムの内容と彼らの現在および将来の日常生活との関連性が低いという点でしょう。生徒があらゆる場面でテクノロジーを使い、生み出し、影響しているという理由だけをとっても、STEM はそうした不満をすでに解消しつつあるといえます。また、生徒たちのテクノロジーへの関心とその能力は、学習プロセスの活性化に大いに有効です。GeoGebra では、あらゆる STEM 学習に関する調査に取り組んでおり、今後の大きな変化はおそらく AR を活用したテクノロジーの影響によってもたらされるだろうと考えています。たとえば GeoGebra は 3D AR アプリを開発していますが、これを使うと、私たちを取り巻く世界の物理的および数学的な特性の調査を実際に体験することができます。英語の授業で『五次元世界のぼうけん』を学習した後に、AR テクノロジーを使ってモーフィングで再現した四次元超立方体の内部に入ったり通り抜けたりすることができれば、実体験に基づいて 4D 理論の理解を深められるようになるでしょう。
これまでに教育現場で目にした STEM 教育の最も効果的な事例をお聞かせください。
さまざまな事例が数多くあるため 1 つに絞ることは難しいのですが、世界中の教師と生徒が集まる GeoGebra コミュニティの事例を紹介します。直接関わっているわけではありませんが、トロントの学生たちによる「Lego Man in Space」という宇宙旅行(正確には宇宙の近くの旅行)をテーマにした面白いプロジェクトがあります。このプロジェクトの動画の再生回数は 300 万回を超え、人々の注目を集めています。ミッションが継続するのであれば、次回からはスマートフォンも一緒に宇宙に送ってセンサーデータを収集し、GeoGebra でキャプチャしてミッション データとして示せすとさらに面白くなると考えています。
学校での効果的な STEM 教育に最も重要な基礎は何であるとお考えですか?
質の高いクラスルームと学校には共通の要素が 1 つあります。それは、学習する喜びと情熱を生徒と分かち合う優れた教師の存在です。生徒の関心を引きつける質の高い STEM 教育には必ずしもテクノロジーが必要なわけではありませが、優れた教師とサポート体制の整ったすばらしい学習環境に優れたテクノロジーを加えれば、すべてがすばらしい方向に進んでいきます。
Michael Bodekaer Jensen 氏との対話
Labster 創設者
今後 10 年間でバーチャル リアリティはどのような進化を遂げると思いますか?また、その進化はクラスルームにどのような影響を及ぼすと考えられますか?
バーチャル リアリティのハードウェアは今後 10 年間も大幅に改良されていくでしょう。視覚解像度と性能の向上によってバーチャルな世界と現実世界との区別がつかなくなり、タイムラグも完全になくなります。オールインワン ヘッドセットの価格は $100 を下回り、大幅に小型化されるでしょう。さらに、触覚グローブなどの追加アイテムが主流になることで、より臨場感あふれる体験が可能になります。VR を活用したライブの共同学習と、数百か国語へのリアルタイムの翻訳機能を組み合わせれば、「クラスルーム」の概念が「バーチャル グローバル クラス」の概念に一変します。 VR をうまく使えば、これまで不可能であった体験を生徒に提供できるようになります。想像してみてください。国際宇宙ステーションで世界中の生徒と一緒に科学を学ぶ。DNA 鎖のサイズまで小さくなって分子の操作を実際に体験する。古代ローマまで時代を遡って重要な歴史的事件をロールプレイで再現する。VR を使えば、こうした体験を安全な教室にいながら提供できるようになります。
この数年で VR や AR などの新たなテクノロジーがこれほどまでに勢いを増し、注目を集めているのはなぜだと思いますか?
VR はとりたてて新しいコンセプトというわけではありませんが、この数年のテクノロジーの進歩により、安価でありながら、快適な没入型ユーザー エクスペリエンスを実現できるだけの品質を備えた VR 機器を生産できるようになりました。まだ改良の余地はかなりあるとは言え、VR は主流の画期的テクノロジーになりつつあります。その理由として、1)テクノロジーが継続的に改良されている、2)VR 用に開発されるコンテンツの品質が向上している、3)調査によって教育における VR の有効性が証明されている、ということが挙げられます。アリゾナ州立大学は昨年、VR を活用した完全オンラインの生物学部を世界で初めて設立しました。ASU、Google、Labster によるこのコラボレーションにより、遠隔地にいる生徒でも VR でラボの実験に取り組めるようになりました。こうした学習はこれまでは不可能でした。今では、生徒は自分の都合のよい時間にラボにアクセスして必要なだけ実験に時間をかけることができます。この学部は大成功を収め、これまでに数千人もの生徒が興味を示しています。
これまでに教育現場で目にしたバーチャル リアリティの最も効果的な活用例についてお聞かせください。
アリゾナ州立大学(ASU)は昨年、VR を活用した完全オンラインの生物学部を世界で初めて設立しました。ASU、Google、Labster によるこのコラボレーションにより、遠隔地にいる生徒でも VR でラボの実験に取り組めるようになりました。こうした学習はこれまでは不可能でした。今では、生徒は自分の都合のよい時間にラボにアクセスして必要なだけ実験に時間をかけることができます。この学部は大成功を収め、これまでに数千人もの生徒が興味を示しています。
バーチャル リアリティとは何か、一言で説明してください。
VR とは、バーチャルな方法であらゆる生徒に平等に教育を提供するもの。
Dan Lindquist との対話
Google Expeditions プロダクト マネージャー
今後 10 年間でバーチャル リアリティはどのような進化を遂げると思いますか?また、その進化はクラスルームにどのような影響を及ぼすと考えられますか?
ここ数年の間に VR は大きな変貌を遂げました。そこには、テクノロジーの成熟と、企業がバーチャル リアリティに最適なアプリケーションをより明確に理解できるようになったという背景があります。VR が初めて消費者の注目を浴びたとき、期待された用途のほとんどはゲームやエンターテイメントでした。しかし今では、教育や企業向けのアプリケーション(アーキテクチャなど)といった、より実用的な用途へと変化しつつあります。 今後数年のうちに、VR デバイスのハードウェア価格は大幅に下がると考えられます。そうなれば、学校のテクノロジー ポートフォリオに VR を統合できる機会は増えてくるでしょう。価格が下がる一方で、デバイスの性能はより強力になり、解像度やプロセッサーの速度は向上するはずです。同時に 5G の高速ネットワークが導入されれば、さらに充実した臨場感あふれる VR 環境が築かれ、ユーザーは実際に別の場所にいるような感覚をよりリアルに体験できるようになります。 教育現場では、VR を活用することでこれまでは難しかった(あるいは不可能だった)体験を生徒に提供できるようになるでしょう。たとえば、Google Expeditions を使えば実際に移動しなくても遠く離れた場所で校外学習を実施できます。Labster などの企業では、ラボの設備や備品がなくても生徒が本格的な実験を行えるサービスを提供しています。こうしたアプリケーションが次々に開発されるようになれば、生徒に幅広い体験を提供できるだけでなく、特殊な教室設備への投資を削減できます。
この数年で VR や AR などの新たなテクノロジーがこれほどまでに勢いを増し、注目を集めているのはなぜだと思いますか?
VR と AR はいずれも、これまでは不可能だった方法で生徒の関心を高める新たな手段です。生徒たちは、極めて忠実にシミュレーションされた環境や物体を好奇心の赴くままに探索できます。観察しているうちに、ユニークな質問もいろいろと思い付くでしょう。このように授業のトピックへの関心が深まれば、生徒はそのトピックに関する理解を深めて知識を身に着けることができます。 教師側でも、クラスルームに導入した VR と AR に生徒が夢中になる様子を見て、これらのテクノロジーを授業に取り入れる方法を他にも探すようになります。VR と AR を最適な方法で授業に導入する教師が増えれば増えるほど、他の教師はそれを見習って後に続きやすくなります。
どうすればクラスルームでバーチャル リアリティを効果的に活用できると思いますか?また、効果的でない活用方法とはどのようなものでしょうか?
十分に練られた授業計画にさらに奥行きを与え、生徒の関心を高める手段として VR を組み込むと、とても効果的だと思います。VR を授業の代替手段として利用しても効果はないでしょう。教師が VR を効果的に活用するには、まず的確なコンテキストを設定してクラスを VR 体験に備えさせたうえで、生徒が VR で詳細を探ってそのコンテキストをより深く理解できるようにします。 VR 体験の間に生徒の関心を授業に向けさせることも大切です。夢中になって VR 環境を探索しているときに、授業に耳を傾けさせることは簡単なことではありません。よって、めりはりをつけることをおすすめします。具体的には、1、2 分間 VR 環境を探索したらヘッドセットを外すように生徒に指示します。そして生徒に質問を投げかけ、顔を見てやり取りします。このようにすれば、生徒は体験から学んだことをしっかりと理解でき、教師は授業を通して生徒の関心を維持することができます。
これまでに教育現場で目にしたバーチャル リアリティの最も効果的な活用例についてお聞かせください。
考古学と古代文明の研究に関する授業を行っているクラスルームを訪れたときのことです。教師はまず古代メソアメリカ文明とその歴史について説明し、生徒たちがその歴史を理解した後に、生徒たちをチチェン イツァへのバーチャル リアリティ ツアーに参加させました。このツアーでは、生徒たちが自分で遺跡を見て回ることができます。 VR ツアーの終了後、教師は話題を考古学の手法に移し、考古学者たちが古代文明に残された遺物を調べることで文明の実態を推論していることを説明しました。さらに、遺物の特性から一定の物事がわかるということを指摘し、その一例として、矢じりの発掘によって狩りに弓が使われていたことがわかると説明しました。 説明に続き、教師はクラスルームで拡張現実を利用してメソアメリカ文明のさまざまな遺物を紹介し、それぞれの遺物から文明について何がわかるかを生徒たちに質問しました。拡張現実により、あたかも遺品がクラスルームに持ち込まれたように、生徒たちはあらゆる角度から遺物を眺めて自分の目で調べることができました。 教師は AR と VR の両方を利用したことで、授業で伝えたかった内容を見事に生徒に伝えました。
バーチャル リアリティとは何か、一言で説明してください。
テレポーテーションやタイムマシンのような体験を可能にするもの。
さまざまな国と地域の教育動向
世界のさまざまな国と地域で教育と学びがどのように変革しているかをご覧ください。
世界中の教育者の考え
世界中の教育者が、クラスルームの未来、そして生徒がこうした変化に備えるうえで学校や教師に何ができるかについて見解を述べています。
Teacher Center で詳しく学ぶ
Google の専門能力開発カリキュラムとガイダンス付きの学習プログラムを活用し、スキルを高めましょう。Google for Education のさまざまなツールを利用して、学習体験をより良いものにするための方法を学習します。
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デジタルの責任
生徒にオンライン スキルを教える
目的を明確にしたオンライン検索、またブラウジングをカスタマイズするうえで不可欠なスキルについて学びます。
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計算論的思考
CS First
コンピュータ サイエンスを初めて学ぶ教師のために構築された、動画カリキュラムをぜひご活用ください。コンピュータ サイエンス教育を導入しましょう。
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生徒主導の学習
生徒が学業の成果をオンラインで送信できるようサポートする
デジタルツールを活用し、課題をオンラインで作成して一般公開する方法を教えましょう。
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ライフスキルと就労準備
生徒のグループワークを促進する、テクノロジーのさまざまな活用法
生徒がグループ プロジェクトで満足のいく成果を出せるよう、そのコラボレーションを教師がどのように管理すればよいかについて学習します。
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コラボレーションを促すクラスルーム
オンライン コラボレーション ツールで意欲を高める
Google ドキュメントや Google ドライブを活用し、生徒たちがグループワークやコラボレーションを自分たちで行えるようにしていきましょう。
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保護者と学校の連携
生徒の学業の成果を学校コミュニティで共有する
Google サイトで学業の成果を周知し、その達成を称えましょう。
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教育の革新
学習モデルを利用して学習環境をカスタマイズする
このコースの説明、動画、アクティビティを通じて、Google のサービスをクラスルームに取り入れる方法を学習していきます。
使ってみる
学校教育における新しい分野
現在の教育に影響を及ぼし、未来の教育環境を形作っていく重要なトレンドについて学習します。