ブロワード郡公立学区、多様な生徒がコンピュータ サイエンスのクラスに参加

課題

Milenkovic 氏は、コンピュータ サイエンスと計算論的思考(CT)が化学教師としての自身の成功に重要な役割を果たしたのだと考えています。Milenkovic 氏は 2000 年代初頭にこの地区で科学を教え始めましたが、地区では 2013 年までに STEM 教育を拡充し、コンピュータ サイエンスを組み込むことが決定されました。Milenkovic 氏は直感的に、STEM の授業と連携してコンピュータ サイエンスを教えることが重要だと考えました。

コンピュータ サイエンスに対する意識は、地区全体で非常に低いものでした。「生徒や教員の多くがコンピュータ サイエンスについて聞いたこともなく、コンピュータ リテラシーと混同していました」と Milenkovic 氏は話します。地区の STEM プログラムの中でも、コンピュータ サイエンスは目立たない存在でした。STEM を担当する教員の中には、計算論的思考を教えている人もいましたが、数学に関するものに限定されていました。

コンピュータ サイエンスの認知度が低いために、AP(アドバンスト プレースメント)コンピュータ サイエンス試験を受ける生徒はほとんどいませんでした。この地区に属する 27 万 1,000 人の生徒のうち、2016 年後半にこの試験を受けた生徒はわずか 200 人でした。Milenkovic 氏にとって、この結果は衝撃でした。試験を受けた生徒の絶対数が少なかっただけではなく、少数派に属する生徒の比率がさらに少ない状態だったのです。BCPS 内の経済格差は大きく、地区内の生徒の多様性が正しく反映されていないことは明らかでした。Milenkovic 氏は、それを変える必要があると感じていました。「すべての生徒にコンピュータ サイエンスを学ぶ機会が与えられるべきです。そうすれば、成功するチャンスも平等に与えられます」と彼女は話しています。

解決策

2011 年にフルタイムの教師から STEM 教育のスーパーバイザーに立場を変えたMilenkovic 氏は、「生徒向けのコンピュータ サイエンス教育を改善する鍵は、地区内の教員をトレーニングすることだ」と考えました。生徒にコンピュータ サイエンスの魅力を伝えられるように、各教員は専門能力開発(PD)やメンタリングに継続して取り組む必要がありました。

最初のステップとして、ブロワード郡は、幼稚園から高校までのコンピュータ サイエンス教育の拡充を支援する非営利団体 Code.org と提携しました。Code.org は専門能力開発のための資金を提供し、コンピュータ サイエンス カリキュラムの開発経験を持つ「マスター教員」の育成を支援しました。

Code.org とのパートナーシップに刺激を受け、Milenkovic 氏はその後、教員のキャリアをサポートするためのさまざまな方法を模索し始めました。彼女は、コンピュータ サイエンス教員連盟(CSTA)を通じて Google の助成金プログラムについて知った後、2017~2018 年の Google の助成金に応募して授与されました。Google の助成金により BCPS は、各教員がコンピュータ サイエンス教育のフロリダ州認定資格を取得するのを支援するオンライン PD コースを設置しました。

Milenkovic 氏は、各教員が継続的なサポート(メンタリングや勉強のための有給休暇)を必要としていることを理解していたため、教員たちがオンライン コースの受講に費やした時間を埋め合わせるために助成金を活用する制度を考案しました。また、資金の一部は、マスター教員による個人指導メンタリングに割り当てられています。Milenkovic 氏は、「コンピュータ サイエンス プログラムの構築のような新しい取り組みを開始するときは、正式な部署や、教員間の正式な連絡方法は用意されていません。そのため、教員たちが連携システムを構築できるように支援する必要があります」と話しています。

「今日、コンピュータ サイエンスを勉強する生徒は多様になり、この地区の多様性を適切に反映するようになりました。」

Lisa Milenkovic, ブロワード郡公立学区, STEM およびコンピュータ サイエンス担当スーパーバイザー

さまざまなメリット

コンピュータ サイエンス分野の教員のキャリアを支援する

Google の助成金を基に導入されたコンピュータ サイエンス認定コースと個人指導メンタリングにより、ブロワード郡内でコンピュータ サイエンス教育に関する専門知識が拡充し、地区全域でコンピュータ サイエンスのクラスが増加しました。オンライン コースは、認定資格を目指す人だけでなく、コンピュータ サイエンスについて広く学びたいと思っている教員であれば、どの分野の人でも利用できます。幼稚園から高校までの環境でコンピュータ サイエンスやコーディングに対するニーズが強まる中、このオンライン コースは、さまざまな教員がコンピュータ サイエンスに関する知識を広げる貴重なツールとなるでしょう。

忙しい日々の中で時間を作ってコンピュータ サイエンス認定資格コースに参加する教員には、特にメンタリングなどの特別なサポートが必要になります。Milenkovic 氏は、教員たちが勉強やメンタリングに費やした時間を埋め合わせることで、将来のコンピュータ サイエンス担当教員に対して「各教員の時間とプロフェッショナリズムが尊重されている」というメッセージを送っています。専門能力開発の支援により、今後コンピュータ サイエンスのトレーニングを希望する教員が増えていくと考えられます。

地区全体でコンピュータ サイエンス教育を受ける機会を増やす

コンピュータ サイエンス担当教員向け PD への継続的な投資により、この地区内の 286 の学校でコンピュータ サイエンスのクラスが着実に増加しています。現在はBCPS 内のほとんどの高校で、AP コンピュータ サイエンス試験に向けて生徒が準備するためにアメリカ国立科学財団が作成した入門コース「Exploring Computer Science(コンピュータ サイエンスの探求)」が用意されています。また、一部の中学校では、Code.org のレッスンプランに基づく「Computer Science Discoveries(コンピュータ サイエンスの発見)」クラスが用意されています。地区内の 141 の小学校も、標準カリキュラム内にコンピュータ サイエンス教育を統合し、各学年で順番に実施されるコンピュータ サイエンスのクラスや、放課後のコーディング クラブやロボット工学クラブを用意するようになっています。

コンピュータ サイエンスのクラスに参加する生徒の多様性を高める

コンピュータ サイエンス PD に幅広くアクセスできるようにすることが、十分なサービスを受けていないコミュニティに到達する鍵でした。アメリカ国内で 6 番目に大きな学区である BCPS には、低所得者層の生徒が通う学校も数多くあります。中には、生徒全員が無料または減額の給食プログラムに参加している学校もあります。Milenkovic 氏は、コンピュータ サイエンスをこの地区の優先事項とすることで、生徒たちがコンピュータ サイエンスの能力に自信を持つようになったと考えています。「以前であれば参加することさえ想像もしなかった生徒たちに、チャンスが与えられているのです」と彼女は話します。

地区内でコンピュータ サイエンスを学ぶ機会が増えたことにより、多様な生徒グループがコンピュータ サイエンスに熱意を示すようになっています。2017 年、BCPS 内の 1,000 人の生徒が AP コンピュータ サイエンス試験を受験しました。2016 年の 200 人から比べれば大幅な増加です。Milenkovic 氏は「今日、コンピュータ サイエンスを勉強する生徒は多様になり、この地区の多様性を適切に反映するようになりました」と述べています。

教育機関のプロフィール

Lisa Milenkovic 博士について: Lisa Milenkovic 博士は、アメリカで 6 番目に大きな学区であり、フロリダ州内で 2 番目に大きな学区であるブロワード郡公立学区(BCPS)の STEM およびコンピュータ サイエンス担当スーパーバイザーです。Milenkovic 氏は分析化学の分野でキャリアを開始し、自身の子どもが就学したときに教員の道に移りましたが、彼女の化学への関心こそが、この地区のコンピュータ サイエンス(CS)教育を改善する方法の発見につながりました。この 2 つの分野は密接に関連しています。Milenkovic 氏は、経験豊富な科学カリキュラムのスーパーバイザーであり、STEM 分野のコンテンツや教育方法を対象にカリキュラムの開発や専門能力開発の管理を行っています。あらゆる学年でコンピュータ サイエンス教育を推進することを目指しており、2013 年からは教員向けのコンピュータ サイエンスの専門能力開発を改善するために、Code.org や Google との連携も開始しています。

ご利用のソリューション

ダウンロード

ご登録いただきありがとうございます。

関心をお持ちの分野について詳しくお聞かせください。